実験室・発表
技術開発を支える実験環境と、
研究成果の発表内容
「ひと」への作用を科学的に極めるために、さまざまな実験環境を整備しています。
また、私たちの研究成果の一部もご覧いただけます。
実験室
新たな研究成果を生み出す実験環境を
紹介します。

無響室
音の反響ゼロ、究極の静寂空間
【特徴】
- 壁・床・天井に楔形の吸音材を使用し、音の反射を極めて抑えた空間
- 外部からの騒音も遮断し、極めて静かな環境(低騒音レベル)を実現
【用途】
- スピーカやマイクロホンなど音響機器の音響測定、性能評価
- 家電製品や電子機器の動作音測定、静音設計の検証
- 人間の聴覚や音の知覚に関する心理評価、研究

残響室
音の吸収ゼロ、響きの空間
【特徴】
- 壁・床・天井が硬く反射性の高い素材でつくられ、音が長時間減衰しにくい空間
- 壁や天井の配置を非対称にして定在波の発生を抑えることで均一な音場
【用途】
- スピーカや音響機器の性能評価
- 建材などの吸音率や遮音性能の測定評価など騒音対策の研究
- 残響が人の聴覚に与える影響を調べるための音響実験

22.2マルチチャンネル
立体音響空間
360度に広がる、究極の没入音響体験
【特徴】
- 次世代3D音響の一方式として検討されている22.2chベースに独自の音響システムを備えた実験空間
- 音の到来方向や包まれる感覚を自由に制御可能
【用途】
- 全方位からの川のせせらぎや、雨音、鳥の鳴き声などの自然を表現し、心地よい空間をつくり出す研究
- 高精細な3D音響体験を提供し、五感を刺激する環境を構築

効能サウンド評価空間
可聴域を超えた音が、ひとを変える
【特徴】
- ひとの可聴域(20Hz〜20kHz)を超える非可聴音を含む音を再生できる空間
- 非可聴音を含む音が脳活動や生理的影響を与える可能性を研究
【用途】
- 音楽や自然音の癒し効果の研究
- 脳波や自律神経への影響の測定
- 非可聴音を含む音源や高周波の再生技術の評価
発表実績
私たちの研究発表の一例です。
Lu Lin, Shufang Zuo, Yao Liu, Ito Masato, Machidori Wataru, Kumamoto Yasuhiro, Kakuhari Isao, Si Chen, Ziyu Wang, Cui Ye and Xuan Huang:Effects of broadband music and audible band music on relaxation states and cognitive function in young adults:a randomized controlled trial, European Journal of Medical Research, (2024) 29:376.
坂井他:音源の種類と聴取レベルがソロワーク時の働きやすさに及ぼす影響 -オフィスにおける知的生産性向上のための音環境の構築(その1), 日本建築学会大会, 2022, 9.
吉田他:バイオフィリックデザインに適した自然音の種類と提示レベルの検討 -オフィスにおける知的生産性向上のための音環境の構築(その3), 日本建築学会大会, 2023, 9.
横田他:実オフィスにおける植栽と自然音を用いたバイオフィリックデザインの長期影響に関する研究, 日本騒音制御学会大会, 2024, 11.