2025.5.29
受賞・表彰

「完全生分解性セルロースファイバー成形材料、及びその生分解スイッチの開発」に対し、一般社団法人大阪工研協会より「第75回工業技術賞」を受賞

CE材料 サーキュラエコノミー kinari

パナソニック ホールディングス株式会社 MI本部 生産技術研究所の岡部 有未さん、名木野 俊文さん、豊田 慶さんが、一般社団法人大阪工研協会より「完全生分解性セルロースファイバー成形材料、及びその生分解スイッチの開発」に対して第75回工業技術賞を受賞しました。

当社の成形材料「kinari」は、主成分のセルロースファイバー(CeF) にポリプロピレン(PP)をつなぎ樹脂として用いて複合化したバイオマス度55%以上の成形材料であり、プラスチックに代わるサステナブル素材としての実用化が始まっていますが、さらにPPを海洋分解性樹脂として広く用いられる{ポリ(3-ヒドロキシブチレート-3-ヒドロキシバレレート)}に置き換え、CeFの高複合化構造を実現する事で強度を100%PP並みに満足させた完全生分解性のCeF成形材料を完成させることができました。さらに、使用時は耐久性を担保しながら、自然環境に流出した後の環境変化に伴う水との継続的な接触で分解を開始するスイッチ機能を備えた新しいCeF成形材料を開発する事に成功しました。

生分解性と強度を併せ持つ完全生分解性CeF成形材料は電化製品、農業・漁業資材など、包装材や日用品の枠を越えて広く適用していくことが可能であり、海洋に到達して継続的に水と接触すると樹脂分解開始のスイッチが入るという新しい機能を付加した事で、海洋汚染低減に貢献する事が期待できると考えています。

※「工業技術賞」は、工業に関する研究発明(工業化に寄与したものあるいは将来寄与しうるもの)ならびに現場技術の進歩改善に功績のあった方々を顕彰する事を目的として、昭和18年より(一社)大阪工研協会が贈賞する由緒ある賞です。

関連リンク

kinari – 高濃度セルロースファイバー成形材料Webサイト
https://www.panasonic.com/jp/company/ppe/molddie/kinari.html
樹脂の未来を担う、新機能 独自技術が生んだ生分解スイッチ
https://recruit.jpn.panasonic.com/feed/biodegradation_switch.html