垣根を超えて未来をつくる―人事制度改革における新たな共創のカタチ―

「私たち技術部門が明日の事業を創造していくために、今、人事の仕組みや制度で変えるべきものは何か?」
この問いからすべては始まりました。約半年にわたる挑戦的なプロジェクトは、そんな問いへの答えを探る旅でもありました。
人事制度の改革というと、通常は人事部門が主導して進めるもの。しかし当社では、その「当たり前」に一石を投じる新しい取り組みに着手しました。現場の社員と人事部門が協働し、より良い仕組みを作り上げていく―。その代表的な取り組みが「明日」ひとプロジェクト(「明日」のPanasonicの事業を創造する"ひとづくり"プロジェクト)です。
「現場×人事」によって生まれる新しい可能性
技術部門に相応しい人事の仕組みや制度をつくることを目的に、現場メンバーと人事メンバーによる混成チームを結成。約半年間にわたる真剣な議論が始まりました。
「現場メンバーとの共創により、人事メンバーだけでは生まれなかったようなアイデアが数多く出てきました」と、人事部長の谷村さんは振り返ります。
「従来の人事の枠組みにとらわれない新鮮な視点での提案は、私たち人事部門にとっても大きな気づきとなりました。」
プロジェクトでは、複数のワーキンググループを設置。採用や人材育成、評価制度、組織文化など、人事制度全般にわたる幅広いテーマについて検討を重ねました。現場の実態に即した制度設計を目指し、様々な視点から活発な議論が交わされていきます。
中間報告会では、現場メンバーからの大胆な提案に、幹部から「どんどんやったらええやん!」という声が次々と上がりました。その予想外の反応に、提案者たちが逆に驚くほどの手応えを感じる場面も。この後押しを受け、プロジェクトはさらに大きな広がりを見せていきました。

「運用8割」、必要ならルールを変えることも。
約半年に及ぶプロジェクトの締めくくりとなったクロージングイベント。執行役員の小川さんは、そこでこんな言葉を投げかけました。
「ルールは少なくシンプルな方がいい。全てが完璧にロジカルに繋がることはあり得ない。よって『運用8割』という考え方を大切にしたい。現場で起こる様々な事象を、現場が自らのプリンシプルに基づいて考え、助け合い、解決していく。その中でルールが悪さをしているなら、変えていけばいい」
終わりは新たな始まり
クロージングイベントの場で、あるプロジェクトメンバーからは「人事制度をつくる経験は初めてでしたが、日々の業務で感じていることや従業員としての素直な思いを、検討に活かすことができました。」との声が上がりました。
その言葉に続いて、「実はまだ何もしていない。本当の勝負はこれから」という声も。この言葉に、その場にいた全員が深く頷いていたといいます。
「明日」ひとプロジェクトは一つの区切りを迎えましたが、これは新たな始まりでもあります。人事をよく知った現場メンバーと、現場をよく理解した人事メンバーが、これからも継続的に協力しながら、より良い仕組みづくりに取り組んでいきます。

共に描く、これからの物語
制度や仕組みは、決して一方的に与えられるものではありません。現場と人事が垣根を越えて協力し、共に創り上げていく。この新しい共創の形は、より良い働き方を実現するための一つの答えかもしれません。社員一人ひとりの声に耳を傾け、共に未来を描いていく。そんな組織づくりへの挑戦は、まだ始まったばかりです。
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