Interview データ、人材、カルチャーがパナソニックの強み

データ、人材、カルチャーがパナソニックの強み

IT企業からパナソニックへ

博士研究員からIT企業のソフトウェアエンジニア、そして再び大学に戻り理論化学・計算化学による材料の研究を経て、パナソニックに入社した藤井研究員。その原点は、高校生の時に数学が世の中のことに使える楽しさを知ったこと。例えば、二次関数で物体の運動がわかると知ったことは衝撃的だったという。もっと世の中を数式でわかるようになりたいと考え、学部では応用数学を選択し大学院からは理論化学へ進んだ。非線形力学やカオス系のような長時間のシミュレーションができない自然現象の本質を見つけたい、そこから化学反応への興味が芽生えた。「プログラミングが好き」という理由で民間のIT企業に就職した藤井。博士課程採用があったこと、ざっくばらんでユニークな会社の雰囲気に惹かれたという。そこからアカデミックに戻った理由は、「目的の違い」だった。もっと自然科学を究めたいとの思いから、サイエンスの世界に戻ることを決めた。

インタビュー風景

アカデミックとパナソニックの研究の違い

「日々の研究はとても楽しい」と笑顔で語る藤井。大学では研究室ごとで動くことが多い中、パナソニックは部署を超えていろいろな実験について、ディスカッションしながら研究できるという違いがあるという。パナソニックの強みと感じているのは、データ、人材、カルチャーの3つだという。特に3つめのカルチャーに関しては、組織ではあるけれど、複数の組織が大部屋にいることですごく話しやすい環境だと強調する。研究者にとって重要なことは一つのことを究める専門性と畑違いの刺激を受け入れる多様性、それを育むカルチャーがパナソニックにはある。AI研究者と材料研究者とでは言葉が違うという「専門家あるある」には高い比率で遭遇するとしながらも、「そのすり合わせが共同研究の醍醐味であり、イノベーションの源泉」と考えている。

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計算機で新しい材料を見つけたい

AIという技術の使いどころはたくさんある中、MIをやるモチベーションはずっと変わらず「計算機で新しい材料を見つけること」だという。目的実現のうえで一番のハードルとなっているのは、材料の周期表で考えると元素の組み合わせがものすごく広大であること。その広大な組み合わせのうち人類が知りきれていない部分がほとんどだと説明する。望むような材料が今まで知られたもののなかにないとき、未踏領域へ踏み出すことの難しさを感じながら、現在進行形で研究中だ。今後やってみたいことは「機械学習や計算機シミュレーションを使って、どんどん新しい材料の候補を提案し続けること」だという。材料研究者が自由に考える枠組みを追求することを目指しているのだ。コンピューターが材料研究者をより力強くするという考えのもと「計算機で材料をやる研究者」として、新しい材料を見つけるためにディスカッションを繰り返しながら多くの提案をしていきたいという。

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藤井 幹也

テクノロジーイノベーション本部
専門:理論化学・計算化学【博士(学術)】