5月29日~31日、テクノロジー本部は、無線通信専門展示会「ワイヤレスジャパン×WTP 2024」の総務省ブースにおいて、HAPS(High Altitude Platform Station:高高度プラットフォーム局)を模擬した小型飛行機を活用し、高度約4kmからの38GHz帯電波での5G通信の実証実験成功の成果を出展しました。
実験では、テクノロジー本部がHAPS搭載を想定して新たに開発した通信装置をセスナ機へ搭載し(セスナ機搭載局)、そして自動追尾機能をもつレンズタイプのアンテナをHAPS地上局として利用しました。これにより、上空のセスナ機と地上局3局との間で、上空中継による地上5G網のバックホール回線(末端アクセス回線と基幹通信網バックボーン回線を繋ぐ中継回線)を確立しました。38 GHz帯電波による5G NR(New Radio)方式を使用した、上空中継の複数リンクからなるバックホール回線の実証は世界初の試みとなります。
HAPSを利用した非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network)は、5Gや6Gにおいて通信エリアを拡大するカバレッジ拡張実現に有効な技術であるため、今後、本実験で得られた結果を活用し、HAPSの早期実用化とNTNの実現に向けて取り組んでまいります。
なお本研究開発は、総務省の「電波資源拡大のための研究開発(JPJ000254)」の一環として実施されました。