AIによる効率化の中で、プロセスに宿る文化の体験価値に注目が集まる
No:25-C
制作年:2025年
人間は非効率とされ多くの仕事をAIに奪われる。残された希望は、茶道や書道など「プロセス」に宿る文化の体験価値だった。
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効率化されれば、それでいいのか?
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わたしたちは、どんなプロセスに注目すべきか?
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AIに奪われない、人間らしさとは?
技術の発展によりAIやロボットが高度に進化した2035年、人間そのものが非効率と判断され、多くの労働がAIに置き換わった。AIがする仕事の能力は高く、人間では代用ができないと考えられるようになる。
人間は仕事をとられた無力感や、人間そのものの存在意義について悲観的になっている。特に若者が社会に出ていく際に、これまで以上に無力感を感じている。とはいえ、人間にもAIに奪われていないものがあるはずだと希望を抱いている。
そこで注目されたのが「プロセス」。AIは効率とアウトプット重視であるため、アウトプットが得られるまでのプロセスはブラックボックスであり、成果そのものにしか付加価値はつかない。一方で人間は、「プロセス」を共有することでアウトプットに対してAIが出来ない文化的な付加価値をつけることができる。
このように、「プロセス」の重要性が見直されていくに従い、「プロセス」に重きを置く文化にも注目が集まる。例えば、茶道や華道・書道・食文化のような所作やプロセス・体験を重視する文化が注目される。
文化は人類の理想を実現していく精神の活動であり、そういった面でもAIにできない人間らしさとして重要視されていく。学校の授業では数理系の授業が減り、○○道(茶道・書道)など、結果よりもプロセスが重視される科目が増える。
また外国人を中心に、日本独特のプロセスを重視する文化に火が付き、体験やプロセスを楽しむ観光が主力となった。外国人は、そこでしか味わえない原体験とプロセスを求めて、日本文化を日本で体験するために今まで以上に日本に観光に来る。
未来の私たちは、AIに奪われていないものの中で、何を希望に抱くのだろうか?