PLAY with通信

PLAY with通信 2023年4月号 Vol.2/【EX事例研究】Google Japan本社・100BANCH・クボタ グローバル研究所・東レ 未来創造研究センター

PLAY with通信とは

毎月1回定期的に発行されている「PLAY with通信」は、プロジェクトの”今”を伝える取り組みです。何かを始めたい人、巻き込まれたい人、いつの間にか中心になる人…「遊ぶように働く」人々の新しい動きを伝えるフレッシュな情報をお届けします。

EX事例研究

働く空間のあり方を研究するべく、他社のオフィスやイノベーションセンターを訪問しています。自社の働く環境やマインドセットの違いを意見交換し、今後我々が関わっていく”働く空間”をどのようにアップデートしていけば良いのかを日々研究しています。

1.Google Japan本社

Google Japan本社にあるカフェ
【Google Japan本社にあるカフェ】

カフェには”FOOD BRINGS US TOGETHER”と掲げられており、Googleが人との交わりによるイノベーションを重要視していることを従業員に示す仕掛けがされていました。

このようなオフィス空間は、米国本社が発信する拠点設計のガイドラインに基づいて世界共通仕様で作られているそうです。一方で、各拠点でその国独自の空間も一部盛り込まれており、日本では茶室のような空間が作られていました。

”和”を意識した茶室のような空間 - Google Japan本社
【”和”を意識した茶室のような空間 - Google Japan本社】

Googleはデジタルをビジネスにしている企業ですが「Ambiguity(あいまいさ)」を重要視されており、全てを細かく指示するのではなく社員一人一人の自律的な考え、行動を重視しているとのこと。オフィス空間もその自律性を前提とした空間であることが感じられました。

オフィス空間は企業理念が具現化されたものであり、オフィス空間づくり(手段系)だけを考えても作った空間がうまく機能しないということを学びました。

[吉田寛子さん・MI本部マニュファクチャリングソリューションC]

2.100BANCH

100BANCH内の様子
【100BANCH内の様子】

100BANCH全体の活動・構想について初めて伺うことができました。実際のプロジェクト例や参加者の取り組む姿を見ることができ、刺激になりました。

印象的だったことは、活動費等の支給はせず、場とコミュニティの提供に留めることで自発的な取り組みを促進できている点。各プロジェクトは成果で評価されるのではなく、仮説検証を通した前進or停滞を軸に見られている点も印象に残りました。

一定の基準をクリアしたプロジェクト同士が活動を近くで見ることは、お互いにとって良い刺激になるように感じました。そういったリアリティを感じられる場を作れないかと考えていきたいです。

[網井圭さん T本部マテリアル応用技術センター6部]

3.クボタグローバル技術研究所

横展開できることをやっている人たちを集めることでのシナジーが狙いの施設です。パナソニックの場合、シナジーが出せるのはパナソニックホールディングス(PHD)内だけではなく、むしろPHD 内だけだと繋がりにくいかも、と感じました。繋がりにくい分野を繋げる、または事業会社等も含めて共通技術同士を繋げるにはどうしたら良いのか、議論したいです。

レイアウトの工夫が随所にありました。「どこでだれが何をしてるのか」を視界に入れて気づかせるようにすると交流が生まれやすいかも、と感じました。

[南和博さん・T本部DAICC オプト・メカトロソリューション部]

テストコースが他部署からも気軽に見渡せる位置にあることで、日々の業務がどう現場で生きるのかイメージに繋がり、日々のモチベーションや部門横断的な会話に繋がりそうな印象を受けました。

研究所で想いを持って日々ご活躍されている社員の方のリアルな声をお聴きすると、ショールームとはまた異なる特別感や親近感が感じられました。研究所の部分的な一般公開は企業ブランディングとしてもプラスの効果を生むのではと感じました。部門横断的な実験設備の共同所有や、技術管理体制の専任化など高効率化に向けた工夫も実践されていました。

[酒井優花さん・PF本部 GX戦略室]

4.東レ未来創造研究センター

異なる組織の融合を図るために居室レイアウトの工夫に加えて、委員会活動で横串を通しているのが印象的でした。我々も異なる本部の融合においても参考にすべきと思いますが、負荷の問題もあり、皆で良く練っていく必要があると感じました。

外部との融合面では、先客万来というよりは特定の方を強く結びつけることに重きを置かれている印象。我々もどういう繋がりを生みたいのかを明確に共有する必要があると思いました。

実験室は将来の変更のため広く余裕がありました。設計は難しいですが変化させる前提であれば、ある程度の余裕は必要ではないかと感じました。居室についても「やってみて後で変える」というフレキシビリティを持たせた設計にしておくといいと思いました。東レさんの考える基礎研究を重視したイノベーションは、パナソニックにも合っているのではと個人的には感じます。うまく言えませんが、100BANCH やGoogle とは異なる方向性を感じ、日本流イノベーションという観点でも研究しデザインしたいと思います。

[日根清裕さん・MI本部 直轄 企画部]

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