What to change 私にとってのPLAY with/村上 健太さん
新しい世界つくるためにはモノを見るんじゃない、もっともっと人を知ること。
PLAY withを立ち上げる時に、「この人がいたら面白くなる」というメンバーを集めるのが私の使命でした。ワークスタイル改革の発信強化を模索していた福井さんを中心に、2019年12月から「自分たちはどういう働き方をしたいのか」と考え始めました。
そこで、皆が共感してくれたのが「〝働き方改革〞ってちょっと違うよね」という感覚です。働き方改革と名付けることで「今の働き方がダメ」かのような入り口になってしまう。
だから「ああ、働き方改革ね」「またやってるわ」とマイナスの印象が先行してしまうと感じていました。
ワーク・ライフ・バランスを整えるために「働き過ぎないことが是だ」という概念を押し付けるような感覚があったのです。メンバーが共感してくれたのは、それぞれ働き方への思いがあったから。
その「ありたい姿」を形にするべく、毎月のようにワークショップで思いを具現化していきました。私は(大きな声では言えないけれど)休みなく働くことも苦ではなく、それぐらい面白いことを仕事にしたいと思う人間。
面白くない時には、自ら面白いことを探します。一方で、仕事はお金を稼ぐためのものでありプライベートを大事にしたいというのも一つの考え。
一人一人が働き方を選べることが重要で、「どんな働き方をしてもいいんだよ」とか、「そういう働き方もあるんだ」と提示する広報媒体の位置づけで、PLAY withをスタートすることになりました。
コアメンバーは個性が色濃くタイプは違う。こんな人たちが社内にいて、こんなスタイルで働いていると知ってもらうだけでも、視野は広がります。
最終的には会社全体で各自が「自分はこんなふうに働きたい」と意志を持ってほしい。そのための正解探しではなく、宝探しをする感覚のメディアにしたいと思いました。
そして、「遊ぶように働きたい」という福井さんの発言をきっかけに「PLAY with」という言葉にたどり着きました。
仕事は「DO」じゃなくて「PLAY」だよねと。「DO」は与えられたタスクをこなす受け身的なイメージ。私のタスクはここまでと区切って責任転嫁もできてしまいます。
「PLAY」には楽しむという意味と、自らスイッチを入れて積極的に行う感覚があります。楽しんで働いているのであれば、お互いにカバーし合うことも増えるはずです。PLAY + with ○○でそれぞれのモットーにしよう。いいアイデアになったと思います。
コンセプトづくりを通して「これでいいんだ」と思えたメンバーたちは、より自由にクリエイティブな発想を貫けるようになっていきました。
PLAY withというプラットフォームで領域を超えた交流を生み出す
もともと人と交流することが好き。
しかし会社全体でも旧イノベーション推進部門の中でも、お互いを知らなすぎると感じることが多くて。「知り合ったからって何になるの」という人もいますが、そこに目的が必要だとは思いません。
人を知ることで広がる世界があることを伝えたい。その気持ちが「NEXT RUNNERS」の企画につながりました。
相手を知ると同時に、自分のことも話してほしい。
自分が抱いてきた思い、働いて感じることを同世代と語り合い、発信する場がつくれればと思いました。
もちろんPLAY withの活動の対象は若手にとどまりません。〝お偉いさん〞がなぜ偉いのか、スゴい人はなぜスゴくなったのか、そこには必ず理由があります。その人ならではの経験があるのです。
人を通して成功や失敗の体験を知ることは、単なる知識をインプットするよりもはるかに浸透力があります。
さらに、先輩方の経験談を通して、その人の人となりを知れることが非常に魅力的だと思います。
研究開発という新しい世界をつくる役割の私たちが、凡庸なスタイルで働き続けてよいのか。これまでと違うスタイルを取り入れ、タテ・ヨコ・ナナメがつながって組織全体の風土を変えていく。PLAY withに最も適した場だと思います。
まずは壁を越えること。PLAY withで発信すれば、これまで出会えなかった人たちからリアクションがあります。視野や発想が広がるし、単純にすごくうれしいことです。
いつかパナソニック万人全員が「自分らしい働き方」を実践したらどうなるのか。
興味深いですよね。2:6:2の法則を掲げて約1年半活動をしてきて、PLAY withに積極的に参画する人は約2割、見ている人は6割程度。届いていると実感も得られるようになってきました。
モノづくりの好きな人は、人が好きでポジティブな人が多い。
そう信じてさらに面白いプラットフォームを築き上げたいと思います。
村上 健太さん
Kenta Murakami
2014年パナソニック株式会社 入社。先端研究
本部に配属後は非接触血圧測定に向けた信号処理技術の開発
歩行支援用ワイヤ型アシストスーツの開発などに従事した後、17年より株式会社ATOUNに駐在し、歩行支援パワードウェアの共同開発ならびに事業化を遂行。
19年よりアップデート家電のアーキテクチャ設計構築に従事し、現在は家電の組み込みソフト開発を推進。専門は運動制御学、人間中心設計、ロボティクス、組込ソフト開発等。